京都青果合同株式会社 代表取締役社長
内田　隆さん

海外市場への国産農産物の輸出促進をする為に、９月３～５日に香港で開催された「ASIA FRUIT LOGISTICA 2014（AFL）」と言う青果物の国際展示会に、初めて出展してきました。この展示会は年々参加者が多くなってきており、今年は世界64ヶ国から、約8,100人の来場者があり、世界38ヶ国から478社が出展していました。

今、国や各行政区では、国産農産物の輸出を増やしたいと動き出している中、京都市の支援を得て、全国で初めて市場として出展してきました。

 展示したのは、京野菜の、賀茂ナス・伏見甘長とうがらし・万願寺とうがらし・九条ネギ・水菜・金時人参、徳島県産サツマイモ「里娘」、そして果物では、長野産リンゴ・山梨県産桃・山梨県産ブドウ（藤稔とシャインマスカットと言う品種）・静岡県産マスクメロン。

 アメリカ、カナダ、チリ、メキシコ、アルゼンチン、ニュージーランド、エジプト、韓国、中国、等など、色々な国が自国の農産物を展示・商談していましたが、その中でも我々の展示品は群を抜いて素晴らしい品質で、我々のブースの前を通る人の殆どが、まず全ての商品の写真を撮られていました。その後、ブドウを触ってビックリして我々の顔を見られる。どうも作り物（プラスティック製）に見えるようで、実物ですよと説明し試食をお出しすると、甘く美味しいのでさらにビックリされる。日本産農産物は芸術の域に達していますが、特にブドウは世界ナンバーワンの品質であることは間違いないと思います（価格も高いですが）。

 香港はもちろんのこと、中国やインド、ロシア、台湾、マレーシア、ベトナム、等の業者からの問い合わせが多く、日本で販売している価格の倍の値段になるにもかかわらず需要はあり、数社には輸出することになると思います。

今後、諸外国（特にアジア諸国）がさらに経済発展して生活が裕福になってくるにつれ、日本産農産物の様な高品質な食べ物に対する需要は間違いなく拡大してくるものと思われます。

 海外では「凄い」と思われることが日本では当たり前になってしまっています。

我々日本人は、安全に暮らせ、水道水が飲めて、素晴らしい品質の安全で美味しい国産農産物が豊富にあるということを、当たり前に思いすぎています。

豊富な品種の高品質な野菜や果物が日本の食文化を支えていると言うことを、日本の農業のレベルが素晴らしいということを、多くの方に理解していただきたいと思います。

我々日本人は、日本の素晴らしさを再認識すべきです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  （うちだ・たかし＝本会理事、２０１４年１０月）