キリンビール株式会社 京滋支社 支社長
横山良範さん

京都で仕事をさせて頂いて、４年半になりますが、おかげ様で沢山の方々と出会い、ご指導頂いております。そんななか、ご縁で海上自衛隊の中級階層の方々に向けて、『人財育成講座』を年に３回程度講師として参加させて頂いております。当然、私に護衛艦の操船技術も、砲術もありませんが、後輩・メンバーを育成するということは、ジャンルが違っていても同じということで、お引き受けしております。

講話の中で、必ず聴講の方々に『きく、という文字。どのように書きますか？』と質問するのですが、ほぼ『聞く』『聴く』の二文字は返ってきますが、『訊く』は返ってきません。そこで、『聞く』は、耳に門があり閉ざされている為、メンバーの話（重要な内容もあるでしょう）を真摯には受け取っていない可能性があり、メンバーも感じ取りますよ！
そして、『聴く』は、耳と目と心で受け取るため、メンバーにも安心感を与えるでしょうけど、受動的ですね！
そして『訊く』は、所謂ヒアリングなのだと思うのです。何が好きですか？今どんな状態ですか？どうしたいですか？と訊ねられると、相手は、この人は私に興味を持ってくれている、関心を示してくれている。と悪い気はしない。とお話しています。

これは、お得意先や夫婦間でも同じだと思います、自身の事を知ってもらう為に一生懸命話すことも、時には必要ですが、相手が興味の無いことは所詮『聞く』になってしまうようですので、まずは相手の事を知る。理解する。共有する。その上で、課題解決につなげる提案、提言を行うと言うことが、大切ですね。

また、併せて『主語を変える』と言う話を付け加えておりますが、これは私の上手くいかなかった経験からの話です。

単身赴任が12年になりますが、元来青果栽培が好きなもので、自宅の猫の額より小さな菜園で色んな物を育ててきました。そんななか、キャベツにチャレンジした際に、苗を120円程度で購入し、生育しようとしたのですが、如何せん単身赴任故、帰省時以外は妻に管理を任せておりました。いざ収穫となり『無農薬の安心安全な美味しいキャベツが採れた』と喜んでいると、妻が無言であり喜びの感情もなく、どうしたのかと訊くと。

あなたがいない間、冬場なのに何処からとなく蝶々がやってきては、卵を産み付け青虫になり、それを駆除するのが大変であった。今、スーパーマーケットで購入すると、キャベツは一玉150円くらいで購入できます。・・・

ひとりよがりの反省、訊く、と言う事大切だと思いました・・・・・